2008年10月 ソウル旅
2008.10.02 Thu 晴 ソウル旅01 往路、機内より
近自然工法研究会さんの企画で、ソウルの清渓川(Cheong-gye-cheon)に行きました。ネタは仕事寄りだけどプライベート。遊ぶぞ~。

大韓航空の朝の便、セントレア発、仁川国際空港行き。気持ちよく晴れて、下がよく見えます。窓へばりつき。伊勢湾、大小こんなに船があるとは、イメージできてなかった。

琵琶湖流入直前に、大きな沼。こういう地形は、近江八幡だったかしら。何のための沼だろう。

機内食が出たことにびっくり...(いやきっと国際線は絶対出るのだ。以前フランス・イタリア間も出たし。)

...びっくりしている間に、日本海をひとまたぎ、これは韓国の...南東の海岸かな。心なしか、道路が大胆に走っている気がします。

沿岸の海が...茶色い。なんでなんで?機体の影がはっきり写る。

と思っていたら、干潟出現。でっか。ずーっと海は砂で茶色くなっていたわけですな。見た目水分少なめな感じの干潟で、川のようなものができてます。

干潟で何かつくっているようです。海苔?そして島が多い。地図をみると、とても複雑な海岸線だとわかります。ほとんど地球儀レベルの地図でしか韓国を見たことがなかったので、全然気づいていませんでした。

→ソウルの森編につづく
2008.10.02 Thu 晴 ソウル旅02 ソウルの森(ソウルスップ)
Hide ParkとかCentral Parkを引き合いに出して説明されていました。韓国では今"ウェルビン"というのが流行っていて―well-beingのようですが、ガイドさんはwell-livingとも言っていた気がします。健康+幸せ+低環境負荷といった感じでしょうか―ここは市民のウェルビンを実現する公園のようです。面積1,156,498㎡に、自然生態の森、自然体験学習園、 文化芸術公園、 湿地生態園、漢江水辺公園があります。つくる段階から現在まで、かなりの数の市民が参加しているということです。平日でしたが家族、幼稚園、年配の人を中心になかなかの人出でした。

路面の工夫No.01。ホントの木だと思います。

路面の工夫No.02。たぶん石。上面は平滑。間は芝類。車椅子には若干厳しいが、無理ではなさそう。

水の工夫No.01。雨を集める溝は、見た限りすべてこんなふうにコンクリートで固めないかたちでした。

端部もこんな感じ。

ソウルの森は、こんな立地です。ソウル特別市を流れる支流が漢江(はんがん)に注ぐ場所。もとは王様が狩をする場所だったとか。ソウルの森ウェブサイトによると、ソウル最初の上水道水源地でもあったそう。(サイトの作成者が"Parks & Landscape Office Seoul Metropolitan Government"となっていました。名前だけ見て言うのもなんですが、はっきりLandscapeと名づけるとは、気合を感じます。)写真左下から右上にまっすぐ走る道路がありますが、これが公園を突っ切る部分はトンネルになっていて...

...トンネルの上はこんなふうです。中央奥側がトンネルから道路が出てくる部分ですが、少なくとも人にとっては、なかなか良い感じにできています。

これはトンネルを側面から見たところ。看板には、りんごの森、というようなことが書いてあります。きちんと袋がかけられたりんごが実っていました。かわいいです。


― 旧市庁舎前 ―
清渓川上流端のやや南に位置。翌日に建国記念日を控え、1.2.3、1.2.3.の掛け声のもとステージ練習が行われていました。その脇に、噴水。名古屋の久屋大通にも、舗装面から直接水が出る噴水がありますが、いやいやこちらは水量がハンパない。そこら一円水浸し。そして公園横ではあるけれど、すぐ隣に横断歩道なんかがある普通の歩道です。サンダルだったら入りたかった。結構、高校生なんかも長い時間眺めていました。

私は噴水があまり好きじゃなく、以前、象設計集団の方の講演に行った時「噴水というものについてどう思いますか?」と質問したことがあるのですが、その時「五感を呼び覚ますような、エネルギーのあるものは、良いと思います」というようなことをおっしゃっていました。これもひとつのそれかなぁ。

→清渓川1日目編につづく
2008.10.02 Thu 晴 ソウル旅 03 清渓川1日目
清渓川上流端。上にステージが組まれていました。なんか大胆です。

下流側から見るとステージはこんなふう。エプロン裾はわりと水面ギリギリです。ここが一番有機物の少ないゾーンでしょう。

下流に向かって歩きます。すぐに植物が出現。

わざとらしく造りこまれてるかも...というイメージは一掃。真面目に考えられているように感じられます。

表示もなかなか親切でわかりやすいです。

どうもソウルの人々は、橋の下が好きなようです。なんでわざわざ暗いところへ、と思うのですが、座れる場所が橋の下につくられている率が高いせいなのか、どっちが先なのか。

結構、鬱蒼としている場所もあります。

左は橋下ギャラリー。教室2?3個分の広さがあります。

夕方5時過ぎです。またなかなかの人出。万国旗みたいなのは洗濯物を模したオブジェ。

仕事帰りの若手ビジネスマンとOLの彼女。...たぶん。清渓川の使い方が、こなれた雰囲気。

ピンクの"LOVE"。手前のおじさん2人は、Eに座ってビール片手になにやら討論です。

石に埋込照明。

たまにこういう水の吐口(流域→清渓川)らしきものがあります。

やっぱり橋の下が人気。

いくつかの橋の下に、大きな吐口。

こんな感じで開きます。メンテナンス中でしょうか。中に人が。

説明書き。読めないのですが、翌日案内してくれた公社の方の話では、このあたりは合流式下水道だそうです。越流したら掃除もするのだそうですが、思ったより川が汚くならないとのこと。

こんどは傘アート。しまった逆光。すばらしくきれいでした。柄がまっすぐなのが、また細かい。


― 1日目、夜 ―

卒論を思い出します...。わりと多くのコンビニの前が、セルフビアガーデンというかオープンカフェというか、になっていました。おもしろーい。2日目夜には、私たちもやってみましたが、なかなか快適。

同室になった方が、生ごみ探検隊を結成したので、私も臨時入隊しました。深夜の明洞に身を置いてみたさに、よくわからんまま行ってみると......わぉ。飲食店の店先に、どっさり食べ残しらしきものが。きちんとまとめてきれいに置かれているのですが、ちょっと驚きます。たくさん供して残すのが礼儀、という話もありますが、それも関係しているのでしょうか。こういう容器が、だんだん集積されて、車でどこかへ収集されていきました。なんか、いいもん見た気分です。

生ごみ収集を待つ間、ボーっと見上げたら、3階の飲食店に展望台がありました。そこから滑車のようなものが出ています。食材エレベータかしら。楽しそうです。

生ごみツアー途中、0時頃だったか、道路工事です。建設関係の方も一緒にいたので、興味津々。柵もガードマンもほぼ無し。重機の周りをみんな、ヒール履いた女性も、わりと平然と通り抜けて行きます。ほぉ~。

→清渓川2日目編につづく
2008.10.03 Fri 晴 ソウル旅 04 清渓川2日目
道路レベルから川レベルに下がる階段やスロープには、こんなゲートがついています。15分間に3mmを上回る雨が降ると、職員が駆けつけて手作業でゲートを閉め、立ち入りを禁止するそうです。

橋の下に警報機がついていました。

公社職員が開発した梯子だそうです。とてもうれしそうに紹介してくれました。ふだんはこんなふうにたたんで法面にくっつけておいて...

いざという時には引っ張り出して傾斜をつけてのぼりやすくします。

折りたたみは、かんたん。本当に実用的なのかどうかはよくわかりませんが、首都の都心でありながら、人の手による工夫で良くしようという雰囲気がいいなぁ、という気がしました。

見えにくいですが、川底近くの側面からパイプが出ています。ここからきれいな水が少しずつ出ているそうです。大雨が降って水質が悪くなった時、生き物がこの近くに避難する、ということのようでした。

近年のソウルは、公共トイレが各所に整備されているそうです。これは川からトイレを案内する表示。ここは行ってないのでわかりませんが、トイレが全体的にとても清潔です。独立した街中のトイレや公園のトイレについては、完全に日本よりきれいだと感じました。

いろんな橋があります。ここは駐輪場かレンタサイクルか。

奥が上流。手前の水面はつながっています。ここはきっと、流れが速くなったときに、小魚が避難する場所。

人間用、水辺の生き物用、いろんな場所がつくってあります。

ここはかつて洗濯場だった場所でしょうか、洗濯板を模したかたちがつくられています。

徐々に川面が下がっていきます。このあたりだったでしょうか、ある場所から上流では川底が地下水面から離れて上にあるので遮水シートが使ってあり、ある場所から下は使っていないとか。

手前右寄りのステンレス容器が観測井戸になっていて、水位計を持ってきて地下水位を測るそうです。井戸に鍵はかかっていません。

沈下橋がいくつかありました。

ちらほらハトが水を飲んだり浴びたりしています。ハトって水好きだったんですね。

スタンプラリーもできます。人気のほどはわかりません。

高速道路の高架撤去遺構。

...のあたりでアーチ状の噴水。道行く人は、慣れた感じで傘をさしたりしています。水の出始めは、うっかりしてると濡れます。漢江の水と言っていたと思います。

水位ものさし。

これがまた、さすが、冬のソナタの国というか(みてないんだけども)。正面の展望台のようなところに意中の人に行ってもらって、川面の舞台から告白する。で、OKだと右側の橋から滝状の噴水が...というものだそうです。ス、ストレートだ...。予約制。

日本と比べると、建物が華奢に見えます。すごく美しいのですが、地震はあまり無いのかしら。

清渓川資料館、だったか正式名称忘れました。やっぱりトップダウンでないと、こういうことはなっかなか進まない面があるだろうな...

蓋かけ以前かな、こんな様子だったと模型と映像で解説。

なにかと模型や映像を使ってわかりやすく解説されています。褒めてばかりでナンですが、「みんなでやる!」ための肝心な部分にしっかりとお金がかけられている印象です。おそらく着工前に将来像を説明するために作った模型と映像がすばらしかったので載せます。まずは模型。これは「将来側」からの眺め。次は俯瞰。

どうです?私は「すごい!わかりやすい!」と思いました。

傍らのCGはこんな感じ。工事中の養生の仕方まで作りこまれていました。まぁお金かかるだろうな...。でもとにかくとてもわかりやすい。

こちらも模型。代表的・歴史的な橋ひとつひとつのかつての姿が模型で再現されています。

とっても精巧。人のスケールで入り込めます。

蓋かけ前の状況写真。

蓋かけ時代の川の姿。

映像コーナー。見ていたスクリーンが両側に引き込まれて順路が開けます。おぉ、びっくり。「やるなぁ~」の声。

→良才川編につづく
2008.10.03 Fri 晴 ソウル旅 05 良才川
ソウル市内だそうですが、やや郊外。ここも悪い状態だったのが良くなってきた河川とのことですが、勉強不足でよくわかっていません。お金持ちが住んでいるエリアだそうです。

砂礫でろ過する直接浄化。たぶん左が処理前、右が処理後。。

ガイドしてくれた方が言うには、ここはツボ押しのための舗装で、こんなの平気で歩けなきゃ、どこか悪いよ、とか。すっごく痛い。ホントかしら...。

川のほとりの、川とはつながっていない水辺。井戸水かな。夏には大人気で大勢の子どもたちが水遊びをするとのこと。本物ではないけど、いい場所だと思う。

ここでもやっぱり川の下が人気。まぁ、暑い日だったからな。

子どもも大人も、飛び石を楽しんでいます。

ビル郡を河川敷から見る。これ、多くがマンションのようです。ペリメーターというのでしょうか、サンルームになっています。洗濯物はあまり屋外に干さないんだって。7年くらい前だったか、ちらっとソウルに来た時に一番印象的だったのが高層集合住宅がものすごく多く、また結構密集していることでした。こういう住宅事情だと、確かにソウルの森とか、この良才川とか、いい緑地が欲しくなるし頻繁に行くかもなぁ。名古屋はこれに比べると、素晴らしい緑地というのは少ないかもしれないけれど、環境と人との日常的な距離は近いので、それも大切にした方がいいんだろうな、と思います。

橋下シリーズ。テニスの壁打ち。バスケットのゴールもある。

農作を知らない都市の子どもたちのための、学習農園。田んぼです。小学校~高校の子どもたちが育て、収穫して餅にして、施設に納めるとか。なんか話が美しすぎて、正直胡散臭いなぁ、なんて思いましたが...

こんな案山子があったりして、子どもたちも楽しんでいるみたいです。その辺の素直さが、韓国が伸びてる理由のひとつかも知れませんね...。私みたいなヒネクレ日本人は、先が思いやられます。

きび。

きび。一粒わけてもらってかじってみた。けっこう渋い。

お父さんと子どもが、くりひろい。

もうほとんどカラだけどね。

きれいなトイレの一例。

すごくきれい。においも無い。どうなっているんだ。


― おまけ ―

買ったときは気づかなかったけど、飲もうとしたら裏にむっちりした男性が笑顔でお出迎え。ううむ。

生ごみツアー2日目途中、燃えた南大門。再建中。

→まちあるき編につづく
2008.10.04 Sat 晴 ソウル旅 06 まちあるき
この日は川ツアーは離脱で、まちあるき。ホテルのある乙支路4街から北へ、西へ。途中で楽器市場があったけど、ひとけが無くてちょっと怖かったので素通りで仁寺洞へ。以前弟と来たときもここを歩きましたが、その時より買いたいものがずっと増えていました。現代的になったというか。ここは、仁寺洞の真ん中あたりにあるアート寄り小店舗コンプレックス。卒業設計をそのままかたちにしたみたいに楽しいかたち...って大御所設計だったらどうしましょ。

1階のお店で、銀に彩色したブローチ兼ピアスをさんざん迷って購入。2000円くらい。んんー、きれい。もっと買っておけばよかったかも。お店の人が、ちょっと迷ってから韓国語で話しかけてきた。どうも、わりと韓国人に見えるらしい。インドネシアではインドネシア人に見られたんだけどなぁ。

ちょっとした仕掛け。仮設。樹脂板に向こう側をトレースしたようなもの。

なんとなく立ち止まって中庭方向を見させるものです。

鏡が入ったフレームもあります。まんまとはまって1枚。

ひょっとして載せちゃマズイことが書いてあるかも...と思いつつ、載せちゃいます。ハングルって、もちろんいろんな書体がありますが、ちょっと文字からニュアンスが読み取りにくいような気がするんですが、どうでしょう。慣れればわかるのかなぁ。

...といいつつ、ハングルをモチーフにした鉄板、なかなかかわいいです。

街角の案内図。これがまた、わかりやすい表現がされています。

こちらは、歩道上。こういうものが、わりと随所にありました。「とにかく目的地に着ければいい」というのではなく、まちの骨格を伝えようとする感じが、好印象です。

民族博物館入口付近の屋外展示。この書体、日本の街角ではあまり見かけませんが、漢字によく使われています。教科書体に近いかな。美しいですな。

屋外展示の薬草店。こんな台所、いいなぁ。(これは台所じゃないけど)

韓国の方々は、ハングルにとっても誇りを持っているようです。博物館ではかなりの場所をとってその歴史などを紹介していました。これは、ハングルできたての頃、漢字でその説明をしたもの。

これは時代が下って、漢字をハングルで説明(読み?)したもの。

これは...なんでしょう。漢字仮名混じり文?それともルビ?

民族博物館を堪能後、おしゃれスポット、北村へ。かなりおしゃれです。そしてわりとナチュラルテイストで気持ちいい。

そしてまた仁寺洞に戻ってきました。韓国最後なので、屋台のトッポギを。おばちゃんに「その唐辛子も入れて!」と頼んだら苦笑いでした。「まったくおばかな旅行者さん、辛くても知らないよ(笑)」ってとこでしょうか。

帰路の仁川国際空港。トランジットホテルなるものが、搭乗ゲート脇にありました。わりとしっかりした仮眠室、シャワーその他リラクゼーションサービスを提供するもの。欧米の方々が利用しているのを見かけました。大韓航空って韓国で降りない人にもわりと使われているんだなぁ。

なかなかに密実な旅でした。